禁煙外来について

禁煙外来のイメージ写真
  • 「禁煙をしたいけど1歩が踏み出せない。」
  • 「何回か禁煙を試みているけど失敗してまた吸ってしまった。」

このような方はいらっしゃいませんか?
タバコに含まれるニコチンという成分は脳内で快楽を感じる物質を放出させますが、ニコチンが切れると反対にイライラ、集中力低下などの離脱症状を起こします。この離脱症状を和らげるために次の1本が欲しくなります(身体的依存)。また、喫煙によってストレスが減ったなどのイメージが積み重なることで心理的依存も重なります。そのため個人の意思だけで簡単に禁煙できない状態となります。

当院では禁煙したいと考えている方を対象にした禁煙治療を行っています。当院では保険診療を行います。
対象となるのは、

  • ニコチン依存症を診断するテスト(TDS:Tobacco Dependence Screener)で5点以上
  • 35歳以上の方はブリンクマン指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上
    (例えば、25歳から1日15本喫煙している45歳の人なら、15(本)×20(年)=300であり、対象となります)
  • すぐに禁煙したいと考えていること
  • 医師から受けた禁煙治療の説明に納得し、禁煙治療を受けることについて文書による同意(サインして頂きます)をして頂いた方
    ※過去に保険で禁煙治療を受けたことのある方の場合、前回の治療の初回診察日から1年以上経過した方。

以下にTDSというニコチン依存症のテストを掲載致します。

問1.
自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか?
問2.
禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがありましたか?
問3.
禁煙したり本数を減らそうとしたときに、タバコがほしくてほしくてたまらなくなることがありましたか?
問4.
禁煙したり本数を減らしたときに、次のどれかがありましたか?
(イライラ、神経質、落ちつかない、集中しにくい、ゆううつ、頭痛、眠気、胃のむかつき、脈が遅い、手のふるえ、食欲または体重増加)
問5.
問4でうかがった症状を消すために、またタバコを吸い始めることがありましたか?
問6.
重い病気にかかったときに、タバコはよくないとわかっているのに吸うことがありましたか?
問7.
タバコのために自分に健康問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか?
問8.
タバコのために自分に精神的問題(※)が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか?
問9.
自分はタバコに依存していると感じることがありましたか?
問10
タバコが吸えないような仕事やつきあいを避けることが何度かありましたか?
※(注)
禁煙や本数を減らした時に出現する離脱症状(いわゆる禁断症状)ではなく、喫煙することによって神経質になったり、不安や抑うつなどの症状が出現している状態。
「禁煙治療のための標準手順書第8.1版より引用」

5つ以上該当するとニコチン依存症と診断され、保険による禁煙治療の対象です。

禁煙補助薬について

禁煙補助薬は主に2つの種類があります。その2つとはニコチンの成分を含まない薬とニコチンを補給しつつも次第にその量を減らしていくことで禁煙を目指していく薬です。

ニコチンを含まない禁煙補助薬

バレニクリン酒石酸塩が主成分の内服薬(錠剤)

薬の主成分であるバレニクリン酒石酸塩は、「ニコチン切れ症状」(イライラ感や焦燥感など)を軽減するほか、タバコをまずく感じさせます。禁煙開始予定日の1週間前から服用(1日2回食後にコップ1杯程度の水またはぬるま湯で服用)し、飲み始めの1週間はタバコを吸い続けます。そして8日目に禁煙を始めます(タバコを自然に吸わなくなった場合は、8日目より前から禁煙を開始)。服用期間は通常であれば12週間です。

現在出荷停止中のため、使用することができません。

ニコチンを補給する禁煙補助薬

ニコチンパッチ(貼り薬)

ニコチンが含まれている貼り薬です。医師が処方するタイプと薬局などで購入可能なタイプがあります。この薬は1日1回、上腕や腹部、腰・背中などに貼ります。皮膚からゆっくりとニコチンが吸収されます。なお、かぶれを防止するため、毎日違う場所に貼るようにしてください。タバコはニコチン以外にも多数の有害物質が含まれますが、ニコチンパッチにはニコチンしか入っていません。

現時点では当院ではこちらの保険診療を行います。通常は8週間、最大10週間まで。

ニコチンガム

ニコチンを含んだガムで薬局・薬店で購入できます。ガムを噛むことでニコチンが口の粘膜を通して血液中に吸収され、禁断症状が緩和されます。1回の使用量は必ず1個とし、だんだん減らすようにします。なお、医薬品であるニコチンガムは、普通のガムとは噛み方が異なります。そのため正しく用いないと効果が期待できないだけでなく、逆に副作用を招く可能性もあります。使用上の注意事項はきちんと守るようにしてください。

ご興味がある方はお問い合わせください。その際には、本ページに掲載しておりますニコチン依存症のテストが5点以上であること、35歳以上の方は喫煙本数の指標が基準を超えることを事前にご確認下さい。