痛風(高尿酸血症)とは

痛風(高尿酸血症)のイメージ写真

尿酸とは血液中に存在するものですが、何らかの原因によって尿酸が増えている状態のことを高尿酸血症と言います。
尿酸は水にとけにくく、これが過多になると針状の結晶をした尿酸塩になります。その後、関節(とくに足の親指の付け根付近)に溜まるようになると激痛を伴う炎症発作が起きることがあるのですが、これが痛風発作です。

血清尿酸値が7.0mg/dL以上と判定されると高尿酸血症と診断されます。この状態は痛風発作にいつなってもおかしくない状態でもありますが、人によっては出ないこともあります。
合併症がなく、痛風発作を起こしたことがない場合には薬物治療を開始するかどうか明確でない部分もありますが、9.0mg/dLを超える場合は無症状であっても内服治療を開始する基準と考えられています。

尿酸が増える原因には、

  1. 尿酸が体内で産生しやすい(先天的な代謝異常、造血器疾患、肥満、尿酸の元となるプリン体を多く含む食品(レバー類、干し椎茸、魚卵類、えび、かつお、いわしなど一部の魚介類)の過剰な摂取、飲酒 など)
  2. 尿酸の排泄が悪い(遺伝的体質、腎不全、肥満、脱水、多量の飲酒 など)

といったことが挙げられます。

治療について

高尿酸血症の治療では、尿酸値を下げるための治療と痛風で生じる炎症発作を抑えるための治療があります。

尿酸値を下げる治療の場合は、まず食事面などの生活習慣の改善を行っていきます。
食事面では、野菜、海藻、きのこなどを積極的にとるほか、尿酸の元であるプリン体を多く含む食品は控え、適度な飲酒量に抑えます。
また水分をしっかりとることも大事です。水を多く摂取していくことで、体内の尿酸を尿と一緒に排出していきます。この際、糖分を含むスポーツドリンクなどの清涼飲料水で水分摂取を行わないようにしましょう。

このほか尿酸値を下げるのに運動も有効なので取り入れるようにします。そのメニューは、息を弾ませるくらいの有酸素運動(1回30分程度のウォーキング 等)で、継続的に行うことが大切です。
また、過度な無酸素運動は逆効果ですので、運動をする場合は一度医師にご相談ください。

これらの生活習慣の改善と同時に尿酸値を下げる治療薬(尿酸の生成を減らす効果がある薬、尿酸の排出を増やす薬)も併用していきます。

なお痛風による炎症発作の治療は薬物療法が中心です。NSAIDs、ステロイド、コルヒチンなどを使用していきます。
これらの治療で、痛みや腫れなどが抑えられるようになった後に尿酸値を下げる治療を開始していきます。