睡眠時無呼吸症候群について

睡眠時無呼吸症候群のイメージ写真

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まったり(無呼吸)、止まりかけの状態(低呼吸)が一時的に出現する病気です。その結果、十分な睡眠効果を得ることが出来ず、昼間に強い眠気が襲ってきたり、仕事や家事の能率が低下するなど、日常生活に支障を来たすようになります。心臓や血管に負担になり、海外データですが死亡リスクが上がるのではないかという研究結果も報告されています(BMJ Open Resp Res 2021;8:e000656. doi:10.1136/bmjresp-2020-000656)。

このようなときはご相談ください

  • 家族などから「いびきが大きい」と言われた
  • 「寝ているときに呼吸が止まっている」と言われた
  • 突然息が苦しくなり、夜中に目が覚めてしまうことがある
  • 夜間にトイレに行くことが多い
  • 目覚めが悪い、起きたときに疲労感や頭痛がある
  • 日中に強い眠気を感じる、倦怠感がある
  • 集中力や記憶力が低下した など

このような方は、お早めに医療機関を受診し、睡眠時無呼吸症候群の検査を受けるようお勧めいたします。当院ではまず自宅で実施可能な簡易検査を行います(費用は3割負担で3500円程です)。CPAP療法の対象となるような中等症以上の睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合には更なる精密検査に進むことがあります。

睡眠時無呼吸症候群の主な治療法・予防法

CPAP療法

CPAP療法は、鼻に装着したマスクから圧力を加えた空気を送り込むことによって、一定の圧力を気道にかけ、気道の閉塞を取り除いて無呼吸を防ぐ治療法です。中等症以上の患者さんが対象となり、ほとんどの場合に治療を開始した日からいびきをかかなくなり、朝すっきりと目覚め、昼間の眠気も軽減する可能性があります。睡眠時無呼吸症候群の重要な治療法として、欧米や日本で広く普及しています。治療費として月に5,000円程度の費用がかかります。

マウスピース

症状が比較的軽めの場合は、マウスピースを用いることがあります。装着することにより、下顎が上顎よりも前の方に動きますので、上気道が広がり、睡眠時無呼吸症候群の症状が抑えられる可能性があります。但し、全ての症例に対して効果が見られるわけではありません。マウスピースは対応可能な歯科医院で作成することになります。

生活習慣の改善

睡眠時無呼吸症候群は、肥満や飲酒、喫煙などにより悪化する場合があります。そのため、肥満の方は食事を減らし、適度な運動によって適正体重に近づけるようにします。飲酒は控えめにし、特に就寝直前の飲酒は避けます。睡眠薬も、種類によっては気道を閉塞しやすくするものがあります。この他、睡眠の姿勢を横向きにすることで改善することもあります。

睡眠時無呼吸症候群の検査治療についてご興味がある方はお問い合わせください。